スキンケア基礎知識

肌のこと、きちんと理解すれば、もっと優しくしてあげられる。

肌の働きや生まれ変わるメカニズム、日焼けのことなど、ちゃんと理解してあげれば、もっと効果的にケアできるかもしれませんね。
わたしたちの肌のこと、少し掘り下げて詳しくご紹介します。

基礎知識 目次

肌の構造

皮膚は上から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つの層で構成されています。

皮膚の一番表面にある層が「表皮」です。表皮の厚さは0.1~0.3mm。表面から「角質層」「顆粒層(かりゅうそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「基底層(きていそう)」の4つの層で構成されています。

表皮の下にある層が、厚さ2mmほどある「真皮」です。この層には真皮の主成分である「コラーゲン」が網目状に張りめぐっており、皮膚の弾力を作り出しています。そして、このコラーゲンを支えているのが「エラスチン」。 加齢によってコラーゲンやエラスチンが減少したり、紫外線の影響で傷がついたりすると弾力が失われ、シワの原因になります。また、真皮に多く存在するムコ多糖類というゼリー状の物質である「ヒアルロン酸」は、コラーゲンとエラスチンの隙間を埋めて皮膚全体の水分を保つ役目をしています。

肌のターンオーバー

ターンオーバーとは新しい肌に生まれ変わる作業、つまり肌の新陳代謝のことです。
表皮の一番下にある基底層で作られた表皮細胞は細胞分裂をし、そのうちの古い細胞は、基底層から有棘層、顆粒層へと皮膚表面に向かって押し上げられて角質層にたどり着きます。そして角質層へたどり着いた細胞は角質細胞となり、最後にはアカ(角片)となってはがれ落ちていきます。
このサイクルをターンオーバーといいます。

ターンオーバーの周期は、一般的に細胞分裂から角質細胞になるまでに約14日、角質層からはがれ落ちるまでに約14日の合計28日間です。また、加齢とともにターンオーバーの周期は遅くなっていきます。ターンオーバーが正常に行われていれば、細胞は規則的に並び、肌は美しく保たれますが、ターンオーバーの周期が崩れると細胞は不規則になり、さまざまなトラブルを招きます。 ターンオーバーのリズムを正常に保つことが、美しい肌への第一歩です。

皮脂膜の大切な役割

皮脂膜は肌の一番表面に形成される角質の保護膜です。毛穴から出てきた皮脂は、汗腺からの汗と混ざり合い、肌表面に薄い膜状の皮脂膜を作ります。
皮脂膜はおもに皮膚の表面を覆って角質層から水分が蒸発するのを防いだり、角質層のpH(ペーハー)を弱酸性に保ち、細菌の繁殖を防ぐ働きをしています。
この働きによって皮膚の潤いとなめらかさを保っています。

紫外線って?

紫外線とは、地球上に降り注ぐ太陽光線の一種のことです。
紫外線は波長の長い順に、UVA、UVB、UVCに分けられます。
地球はオゾン層で覆われており、そのオゾン層を通過して降り注ぐのが、UVAとUVBです。
UVCはオゾン層によって吸収されてしまうので地球上にはほとんど届きません。

【UVA】(波長320~400nmの紫外線)

地上に降り注ぐ紫外線の90%がUVAで、ガラスを通過し、さらに皮膚の真皮にまで到達します。また活性酸素を発生させたり、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチン線維を切ってしまい、シミやたるみといった肌老化の原因になります。肌が黒くなる原因もUVAによるものです。(サンタン) またUVAは、屋内外や季節に関係なく1年中降り注いでいます。

【UVB】(波長280~320nmの紫外線)

オゾン層でほとんど吸収されますが、一部が地表に到達し、日焼けや皮膚ガンを生じさせ、シミやソバカスの原因となります。皮膚へのダメージが強いので皮膚が赤くなり、ヒリヒリ痛んで炎症を起こします。(サンバーン)

【UVC】(波長200~280nmの紫外線)

UVBよりも強力な紫外線ですが、オゾン層に吸収されて地表には届きません。 ※ 1nm(ナノメートル)は10億分の1メートル

紫外線を防ぐ成分の種類とその制御効果

ポイント

Give&GiveのUV AアンドBプラスCには、酸化チタンのような反射剤を配合しておりません。また、皮膚に刺激性のある紫外線吸収剤はマイクロカプセルに包んであり、直接肌に接することはありません。

1. 反射剤(散乱剤)

紫外線を反射・散乱させて紫外線を防ぎます。
代表的な成分としては、酸化チタンや酸化亜鉛のような顔料があります。
これらは水には溶けません。反射剤を含んだ化粧品としては、粉状あるいは油性のものが主流となります。
近年は反射能力を向上させる目的で、ナノ粒子化した上記顔料が用いられております。これらは非常に細かな粒子なので、毛穴に詰まり皮膚呼吸を阻害します。

2. 紫外線吸収剤

紫外線を吸収して熱エネルギーに変換するサイクルを繰り返しながら紫外線を防ぎます。
代表的な成分としては、t-ブチルメトキシベンゾイルメタン(UVAを吸収)やパラメトキシケイ皮酸オクチル(UVBを吸収)などがあります。
何度も繰り返し使用された紫外線吸収剤は分解され、その分解物がアレルギーや敏感肌の人にとっては赤みやかゆみなどの原因となります。したがって、肌に使用後は、毎日洗い落とすことが大切です。

3. 抗酸化剤

上記反射剤や紫外線吸収剤でも紫外線を完全に防ぐことが出来ません。紫外線は有害な活性酸素を発生させますが、この抗酸化剤が活性酸素を吸収します。したがって、活性酸素によるメラニン色素の発生やシワの発生を防ぐことが出来ます。
抗酸化剤としては、β-カロチン、アスタキサンチン等に代表されるカロチノイド類、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10などがあります。

紫外線の防御効果

化粧品における紫外線の防御効果はSPF値とPA値で示されます。

【SPF】

SPFとは、Sun Protection Factor(サン プロテクション ファクター)の略で、UVB波の防止効果を数値で表しています。

紫外線を浴びたときに肌が赤くなるまでの時間を、日焼け止めをつけることで何倍に延ばすことができるかを数字で示しています。SPF30の日焼け止めを利用した場合、肌が赤くなり始める時間を30倍に延ばすことができるということになります。肌が赤くなり始めるまでに20分程度かかる人がSPF30の日焼け止めクリームを塗った場合、20×30=600分。約10時間程度の日焼け止めの効果が期待できるということになります。
日本では50、欧米では30の値が表示できる最大値です。一般にはSPFが15以上あれば、紫外線防御機能を有する化粧品として認められています。

【PA】

PAとはProtection Grade of UVA(プロテクション グレイド オブ UVA)の略で、UVA波の防止効果を記号で表しています。
SPFが、肌が赤くなる原因を防ぐのに対して、PAは皮膚の黒化が起こる原因を防ぎます。
PAは、日本化粧品工業連合会でその効果により、次の3段階に分けています。

PA+    :UVA防御効果がある。
PA++   :UVA防御効果がかなりある。
PA+++ :UVA防御効果が非常にある。

しかし、これらSPFやPAの値はあくまでも目安であって、夏の暑い日などは汗で日焼け止めが落ちてしまうこともありますので、こまめに日焼け止めを塗りなおすことが必要です。

日焼け

皮膚は太陽に当たると赤くなり、3~4日後に黒くなります。
これは、皮膚の表皮の基底層に存在するメラノサイトがメラニンを発生したためです。

メラニンは、肌を紫外線から守るために放出される色素。いわば、自然に備わった防御本能です。このメラニンが表皮の細胞に分配され、黒く着色されます。通常、着色した表皮はターンオーバーとともに角質層からはがれ落ち、元の皮膚の色に戻ります。
メラニンは皮膚に紫外線が当たり、脳が紫外線を察知するとメラノサイトが働き、作り出されます。また、目から入る紫外線によっても働き出します。

シミのできるメカニズム

表皮は表皮細胞(ケラチノサイト)、色素細胞(メラノサイト)などからなり、4つの層(角質層、顆粒層、有棘層、基底層)に分かれています。

紫外線を浴びると、一番下の基底層にある「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞が活性化して、シミのもととなる「メラニン」という色素を作り出します。
長時間または強い紫外線を浴びると、メラノサイトが活性化してメラニン色素を作り続けます。また、防御機能が働いて消えにくいメラニン色素が生成されます。
これが肌に残ってしまい「シミ」の原因となります。

EGF(上皮細胞増殖因子)

EGF(Epidermal Growth Factor)とは、人間が体内で産生している物質で、主に皮膚細胞を増殖再生させる因子のことです。53個のアミノ酸からなるたんぱく質の一種で、アメリカのスタンレー・コーエン博士によって発見されました。
EGFは皮膚の表面にあるEGF受容体と結びつき、新しい皮膚細胞の形成を促進します。人間の体内で作られるEGFは加齢とともにその分泌量が減少します。
これが肌の老化現象の主な原因の一つです。

EGFを肌に補給することにより皮膚細胞の新生を促し、老化を防止し、ターンオーバーを正常に導きます。